今回は”変な絵ネタバレ結末&考察!ユキの罪は?なぜ逃げない?佐々木はどうなった?”のテーマをお伝えします。
「変な絵」は、とあるブログに投稿された絵から始まる、スケッチミステリーです。
実写映画化もしている変な家の作者である雨穴の2作品目で、大変話題の小説です!
今回そんな「変な絵」小説のネタバレと感想をお伝えしていきます。
それでは早速、”変な絵ネタバレ結末&考察!ユキの罪は?なぜ逃げない?佐々木はどうなった?”と題して進めていきましょう。
目次
変な絵ネタバレ結末!
【登場人物】
萩尾(はぎお)
女性心理学者。11歳で母親を殺害した少女の絵を鑑定し、更生の余地があると判断した。
佐々木 修平(ささき しゅうへい)
就職活動中の大学生。とあるブログの真相に迫ろうとする。
栗原(くりはら)
佐々木のサークルの後輩。
七條 レン(ななしの れん)
2012年まで日々の他愛もない事を綴るブログ「七條レン 心の日記」を書いていた。
ユキ
レンの奥さんで、ブログにも登場している。
今野 優太(こんの ゆうた)
6歳。3年前に父親を亡くしている。
直美(なおみ)
優太の母親。
三浦(みうら)
美術教師。何者かに殺害されてしまった。
岩田(いわた)
三浦の死について調べていた記者。
熊井(くまい)
岩田と共に三浦の死について調べていた記者。
奇妙な絵は、どのような真実に辿り着くのでしょうか?
ここからは、「変な絵」小説のネタバレを含みますのでご注意ください。
変な絵ネタバレ1章
2014年のある日、佐々木は後輩の栗原に紹介されたブログを読んでいました。
「七條レン 心の日記」というブログです。
このブログには作者であるレンがユキという女性と結婚し、その後妊娠をしたという幸せな日々が綴られていました。
ですが、2012年の最後の記事には「このブログを更新するのを止めます」という内容が書かれていました。
そのブログには5枚の謎の絵が掲載されており、その3枚目の秘密に気づいてしまったからだと綴られています。
さらに、あなたが犯してしまった罪がどれほどのものかはわからない、あなたを許すことができない、でもあなたを愛し続けるとも書かれていたのです。
それ以前のブログによると、妊娠したユキの子供は逆子であることがわかったそうで、出産が間近になったある日ユキは突然泣き出してしまったのだといいます。
ユキはその日から、5枚の絵を描きました。
1枚目から4枚目に渡って、生まれてくる子供の成長の様子が描かれているようでした。
5枚目はおばあちゃんが何かに祈りを捧げているような絵です。
この5枚の絵にはバラバラの数字が書かれており、その意味をレンは知ることができなかったのです。
レンによって更新されたそのあとの投稿には、ユキは子供を残して出産中に亡くなったと書かれていました。
そこから3年間、レンはそのブログを更新していませんでした。
そしてユキが亡くなったあと初めて更新されたのが、このブログを更新するのを止めるといった記事だったのです。
このブログを読んだ佐々木は、この5枚の絵は組み合わせることで別の絵になるというトリックが仕掛けられていることに気がついたのでした。
絵を組み合わせると、横になった妊婦の腹から無理やり子供を取り出している老婆という絵になるのです。
つまりこの絵を描いたユキは、自分が出産時に殺されてしまうことに気がついていたということになると予想できます。
そこで佐々木は仮説を立てました。
①ユキは過去に罪を犯している。
②その罪によってユキを恨んでいる看護師がいた。
③逆子にも関わらず無理な出産を進めてユキを殺害しようとした。
④そのことにユキは気づいており、絵を描くことでダイイングメッセージを残した。
⑤ユキの死後、レンはその絵の秘密に気がつき、ユキの罪と死の真相を知った。
ですがこれはまだ、仮説の域を出ていないのでした。
佐々木は栗原に会いたくなったのですが、栗原には会うことはできなかったのです。
変な絵ネタバレ2章
今野 優太は6歳で、3年前に父親を亡くしていました。
それからしばらく経ったとある日、優太が保育園で描いた絵によって騒ぎになったのです。
マンションと優太と母親が描かれているような絵で、マンションの一部が灰色に塗りつぶされていました。
優太の母親は直美という人物で、最近誰かにストーカーされているようなのです。
そんなある日、優太が行方不明になってしまいます。
直美は優太の絵を見つけ、優太が実の母親の元に行ったことに気がつきました。
優太は墓地に来ていたのです。
優太の実の母親はもうすでに亡くなってしまっていました。
優太が描いた絵は、元々はお墓を描こうとしたものだったのです。
直美が家に帰宅すると、ストーカーが部屋に侵入してきました。
直美はそのストーカーの腹をナイフで刺してしまったのです。
変な絵ネタバレ3章
とある山で、美術教師である三浦が殺害されました。
殺された三浦は熱血すぎる性格で癖が強く、妻や生徒、友人から疎まれる存在だったのです。
三浦は山奥で惨殺されていたのでした。
そんな三浦の死を、岩田と熊井という記者が調べることになったのです。
三浦は殺される前1枚の絵を描いており、岩田はこの絵がダイイングメッセージだとして調べていました。
三浦は美術教師のはずなのに、この絵は下手くそだということに気がつきます。。
そして岩田は容疑者を三浦の関係者3人に絞りました。
- 妻・直美
- 美大時代の友人・豊川
- 教え子・亀戸
さらに犯人を1人に絞るため、三浦が殺された現場である、山へ登ることにしました。
山で寝袋に入り眠った岩田。
そのまま拘束され、三浦のように殺されてしまったのです。
場面は変わって、直美がストーカーを刺した場面に戻りました。
その刺したストーカーは、熊井であることに直美は気がついていました。
ですが、熊井は直美が山で殺された三浦の妻であることを明らかにしており、さらには直美が三浦と岩田を殺した犯人であると指摘したのです。
そして警察の応援を呼んでいたため、そのまま直美は逮捕されたのでした。
変な絵ネタバレ4章(最終章)
直美は自分の母親に大事にしていた文鳥を殺されそうになったことがきっかけとなり、11歳で母親を殺害していました。
その後施設で育った直美は、徐々に更生しているようだったのです。
施設にいたときに描いた絵を見た萩尾も、更生に余地があると言ったほどです。
直美は大人になり、助産師の資格をとって病院で働いていました。
そして三浦と出会い、結婚して息子・武司も授かり幸せになったはずでした。
ですが、夫の三浦が武司に対して厳しい教育をし始めてしまったのです。
目に余るほどの教育だったため、直美は武司を守るために夫の殺害を決行したのでした。
そのとき三浦は拘束されながら後にダイイングメッセージとなる絵を描いたため、下手くそな絵になってしまっていたのです。
3年後、三浦の死を掘り起こし調べる岩田が邪魔になったため直美は岩田をも殺害してしまいました。
その後、息子の武司はユキという彼女と結婚し、ユキは妊娠をしたのでした。
直美はユキを殺害し、ユキの産む子供の母親になりたいと思ってしまっていたのです。
ユキを出産時に殺害した直美は、ユキの子供である優太にママと呼ばせていたのでした。
全ては直美が持つ歪んだ母性や愛情、暴力性から生まれた長期にわたる事件だったのです。
そして七條レンのブログを書いていたのは、武司でした。
武司は最後の記事を書いたあと、自殺してしまっていたのでした。
★変な絵の漫画版ネタバレはこちら!
変な絵ネタバレ考察!ユキの罪は?なぜ逃げない?佐々木はどうなった?
「変な絵」を読んだ読者の中には、
- 結局ユキの罪はなんだったのか?
- ユキはなぜ逃げなかったのか?
- 佐々木はどうなったのか?
など謎が多く、スッキリしない方も多いのではないでしょうか。
そこで下記では、私の見解を交えて考察してみましたので参考程度にみて頂ければと思います。
ユキの罪は?
罪を犯してたのはユキではなく、直美でした。
レンのブログによってユキは何かしらの罪を犯したと思われていましたが、事実はそうではなかったのです。
ユキは直美に殺されてしまっていたため、実際は本当に被害者であったのでした。
そもそもブログを書いていたレンは直美の息子である武司で、その武司が自分の母親である直美に対して書いたのが、最後の記事だと思われます。
直美の犯した罪は許せないが、母親として愛し続けるという意味だったのでしょう。
そうすると許されない罪というのが、自分の妻であるユキを殺害したことだということですね。
そのことに気がついてしまった武司はこのブログを更新し、その後その事実を知ったショックのため自殺してしまったと考えられます。
ユキはなぜ逃げない?
ユキが逃げなかったのは、確実に自分を殺そうとしているという確固たる自信がなかったからではないかと思います。
ユキは直美が自分を殺そうとしていることに気がついていたのが、ブログに掲載されていた絵によってわかりましたよね。
直美と暮らしていく中で、ユキはおそらく狂気的な部分を見てしまったのでしょう。
ですが、まさか本当に自分を殺してしまうとまでは思っていなかったのかもしれません。
自分は我が子を身ごもっており、無事に子供を産むことを信じていたのかもしれません。
それを武司に相談することもできなかったのでしょう。
ユキが直美の狂気をもっと現実的に受け止め、夫である武司に相談し逃げていたら、未来は変わっていたのかもと思うと辛いですね。
佐々木はどうなった?
栗原に会うことができなかった佐々木は、亡くなってしまったのではないでしょうか。
栗原から七條レンのブログを見せられた佐々木は、栗原と会うことができなかったということが本編で描かれています。
このブログの真相に辿り着けたときは、栗原に伝えると言っていた佐々木。
なのに会えなかったのは、事故などで亡くなってしまったからではないでしょうか?
この一連の事件とは関係がない死なのかもしれませんが、何か悲しい出来事があったのかもしれません。
変な絵の作品情報
作品名 | 変な絵 |
作者 | 雨穴(うけつ) |
出版社 | 双葉社 |
巻数 | ミステリー サスペンス |
ホラー作家兼YouTuberである雨穴氏による、自身初となる11万字書き下ろし「長編小説」! タイトルは『変な絵』。
見れば見るほど、何かがおかしい? とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。
いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!? その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる! 今、最も注目を集めるホラー作家が描く、戦慄のスケッチ・ミステリー!
※前作『変な家』の“キーマン”栗原も登場!
※購入者「全員特典」として、雨穴による第一章「風に立つ女の絵」オモコワ朗読動画(1時間)つき! 2023年10月までの配信を予定していますが、予告なく中断・終了する場合があります。引用元:コミックシーモア
まとめ
これまで”変な絵ネタバレ結末&考察!ユキの罪は?なぜ逃げない?佐々木はどうなった?”のテーマでお伝えしてきました。
小説1〜3章でバラバラだった登場人物たちが、直美という1人の女性で繋がるという、ハラハラするストーリーに引き込まれました!
直美の狂気に満ちた一連の事件が恐ろしかったです。
細かい描写も面白いので、ぜひ「変な絵」の小説を読んでみてくださいね。
それでは今回は、”変な絵ネタバレ結末&考察!ユキの罪は?なぜ逃げない?佐々木はどうなった?”と題してお届けしました。